高齢者骨折
こんにちは。しみずばしの杉山です。
夏も終わり、セミの鳴き声もだいぶ減ってきました。
気温もだいぶ涼しくなってきましたが、雨が多くて鬱陶しい日が続きますね。
さて、今回は高齢者に多くみられる骨折をご紹介したいと思います。
高齢者骨折の特徴!!
通常、65歳を過ぎると ”骨粗鬆症” による変化が著しくみられ
骨自体が弱くなっていきます。
神経系や筋肉の変性も加わり、バランス感覚なども低下して
素早い反応ができなくなり、転倒することも多くなってきます。
これらのことが高齢者骨折を起こす一因となっています。
どんな骨折があるのか?
高齢者骨折でよく起こる骨折の種類は…
① 上腕部(肩付近)に起こる ”上腕骨外科頸骨折”(じょうわんこつげかけいこっせつ)
② 前腕部(手首付近)に起こる ”橈骨遠位端部骨折”(とうこつえんいたんぶこっせつ)
この骨折は ”コーレス骨折” とも呼ばれています。
③ 股関節部の ”大腿骨頸部骨折”(だいたいこつけいぶこっせつ)
④ 背骨で起こる ”胸腰椎圧迫骨折”(きょうようついあっぱくこっせつ)
…このような骨折が高齢者によく発生する代表的な骨折になります。
これらの骨折が高齢者になったら必ず起こる訳ではありません。
高齢者じゃない方には起こらないという訳でもありません。
このような骨折が発生するのが、高齢者の方に多いということです。
今回はこの骨折の中から ”上腕骨外科頚骨折” を紹介します。
上腕骨外科頚骨折
骨折や外傷が起こる時、患部には外力がかかります。
直接患部に外力が加わることを ”直達外力” と言います。
患部に間接的に外力が加わることを ”介達外力” と言います。
この骨折は直達外力で発生するのは稀です。
転倒した際に、直接、肩を衝くか、三角筋(肩を動かす筋肉)部を
強打して発生します。
このパターンは直達外力によるものです。
この骨折では、介達外力による発生が多く、そのほとんどが
転倒した際に、手掌や肘を衝いて発生します。
症状は肩付近に著明な腫脹がみられ、皮下に出血斑が患側の腕から胸部まで
みられることがあります。
腕を動かすことが困難になります。(機能障害)
押すと強い痛みが出ます。(限局性の圧痛)
骨折したことにより、骨が転位し、変形がみられます。
上腕骨外科頚骨折は骨の転位があるので、整復が必要な骨折です。
症状によっては手術することもあります。
転倒しやすくなる高齢者にみられる代表的な骨折です。
合併症や続発症がありますので
”もしかしたら…” と思ったら、早めに医療機関を受診してくださいね。